7/4〜悲劇〜
朝、動物病院の時間を調べて午前の受付が正午までだと知る。十時の時点で犬をシャンプーすべくリードを出す。リードを見ると犬は散歩したくてたまらないようだった。
とりあえず外の水道場に行き、まずは体をすすぐ。約一年ぶりの体洗いだ。シャンプーをつけて泡立てる。二回くらい洗った方がスッキリするかなと思い、一回目はテキトーにゴシゴシ洗う。首のあたりが白い毛なのでそこを洗っていた時、パタンと犬の力が抜けて横になったまま動かない。目はしっかり見開いているのだけどこちらが呼びかけても反応しない。
パニックになった。これ、相当やばい状態なのではないかと。急いでシャンプーを流して抱きかかえて起こした。なんとか立っているが足が震えている。父に伝えとりあえず体の水滴を取る。一刻も争うような事態だと思った。とりあえず動物病院に電話を入れる。パニックなのに、なんとか冷静に会話した。父と協力してまだあまり乾いていない犬をケースに入れ車に積んだ。病院までは歩いて五分もかからないが歩ける状況じゃないと判断した。十一時前に受付をした。待っている間、やはり犬は力がないようで床に突っ伏していた。
動物病院には他にもたくさんの患者がいた。呼ばれるまでしばらく時間がかかると思ったが、思いの外早く看護師さんが来てくれて犬を抱きかかえて奥に連れて行き診察してくれた。
そこからは気が気じゃなかった。もう死んじゃうのかとずっと考えていた。十分後くらいに看護師さんが来て「心臓の音が小さいです。引き続き先生と検査します」と伝えられた。
あー、もう死ぬんだと考えていた。とんでもないことをしてしまったと。
そこからどのくらいたったのかは覚えていないが、診察室に呼ばれて獣医さんと話し合った。まず一点目、フィラリアで結構増殖していると。
これはまずいなと思った。フィラリアは百パーセント飼い主の責任である。飼い主が悪いのだ。
そして二点目、これは意外だったが腎臓の値が極端に悪いとのことだった。これは知らなかった。とりあえずもう少し詳しく検査ということで夕方に来てほしいと知らされた。
その間ご飯とかを食べたが、あんまり美味しくなかった。検査結果を聞くのも怖かった。
夕方に病院に行き、待ち時間わずかで呼ばれた。
そこで衝撃の事実を知った。
腎臓が機能しておらず膀胱にも問題があり、前立腺が炎症していると。おそらくガンの可能性が高いとのことで、フィラリアとか置いといてこの状態だと一ヶ月や一週間くらいしかもたないだろうとのことだった。
腎臓は片方がオシッコで完全に埋まっていて、膀胱までの管さえオシッコでパンパンに膨れ上がっていた。オシッコで毒素が排出できないからそれが身体中に回ってだるさや吐き気を促している。なんとかしてオシッコを排出するのを待つばかりな状態だ。
それを聞きながら涙がこみ上げてきた。犬が後わずかで死んでしまうなんて。
とりあえず今は点滴中でケージに入っているとのことで見に行った。
そしたら思っていたより元気になっててケージから脱走しようとしていた。
一旦、入院して様子を見ましょうとのことで目に涙を浮かべながら帰路に着いた。
ポッキー、朝にポッキーが倒れた時、オレ、パニックになったよ。
本当に焦った。やばい!ポッキーが死んじゃう!って本気で思ったよ。
病院に着いても、ぐったりしているしもうダメだと思った。
しかも、フィラリアだったとは本当にごめん。飼い主失格だよ。最低な
飼い主だ。
あと、腎臓のことももっと早く気付いてあげられなかったのもごめん!勝手に老衰かと思っていたんだけど、そうじゃなかったんだね。病気と闘っていたんだ。表に出さずにずっと隠して闘っていたとは。本当にかわいそうなことをした。
残りの時間があとわずかって聞いた時は寂しくて申し訳なくて涙が出たよ。今は、ただただごめんね。
でも、夕方行った時元気になってたね。明日の朝にまた来るからそれまで頑張って!
オレに時間をちょうだい!!