7/15,16〜別れの時〜

7/15日の日曜日は犬の部屋で起きた。午前四時くらいに痙攣が起きてその後は一旦落ち着いた。

夜は犬が鳴くたびに、体勢を変えてあげた。そんなことをしていたら自分もめちゃくちゃ眠くなってウトウト寝た。二時間くらい経って動物病院が開く十分前に家を出た。

診察の受付をし、一時間くらい経った時に看護師さんから呼ばれた。今日は犬はおうちにいることと、痙攣した時や鳴き叫ぶ動画を見せた。

その後、先生に呼ばれた。先生はこれまでの先生と違って院長先生だった。

まず、痙攣の動画を見せた。脳からくるものと腎臓からくるものがあるとのことだった。

次に、鳴き叫ぶ動画を見せた。まるで喋っているかのように鳴いたり、遠吠えみたいな声を上げている動画だ。

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私はこの様子の意味が全くわからなかった。痛くて悶絶しているのか、夢でも見ているのかわからなかった。目は開いているし言葉にも反応するから意識はあるものだと考えていた。もし、痛くて鳴いているのならかわいそうでこちらまで辛い。

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でも、院長先生はその動画を見て色々教えてくれた。

「これはもう意識がなくて声とかが自然に出ているだけです。痛みも感じてない状態です。これだと数日か長くて一週間でしょう」と。

とりあえず安心した。痛くて鳴くのだけは悲しい。そうではなくていわゆる昏睡状態的なやつだ。残りの生命力を出しているだけだ。

ここからは飼い主さん次第だと先生は言った。なんとか強引に生かすこともできるし、場合によっては安楽死も選択の一つだと。別にどれが正解だというのもないし全て正解ですと。

とりあえず、痙攣はかわいそうだから一回分の座薬と皮下点滴セットをもらった。座薬が効きすぎて逝っちゃう場合もあるかもと言っていた。それでも良いと思った。飼い主の願いとしては苦しまないで安心して逝ってほしいに尽きる。

早速家に帰り、まずはお尻から座薬を投与した。

その後に点滴を300ml入れた。

仕事のに行かねばならないので、両親によろしくと言い家を後にした。犬はまだその頃も鳴いていた。

仕事中はやはり気が気じゃなかった。でも、今朝も含めてやれることはかなりできたと感じていた。そして、意識がないのなら痛みを感じないうちにそして薬が効いているうちに逝ってほしいとも考えた。そのくらいの覚悟はできていた。

仕事が終わり、深夜前に自宅に帰る。その間に両親から連絡がなかったから、まだ生きているのかもと思った。部屋を覗くとかろうじて生きていた。

母が言うには痙攣は少しだけ起きたとのこと。もう、目は開かないとのことだった。

近くに行き、撫でながら「ポッキー!」と名前を呼んだ。耳がピクって動くが目は開かない。舌を出しながらなんとか呼吸をしていた。

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明日は家族みんな仕事だから逝くなら今夜のほうが良いかもと考えた。

一旦、ご飯を食べに台所へ行った。W杯の決勝を放送していた。ご飯を作ったり食べたり歯を磨いたりしている間に前半が終了した。

もういいやと思い、犬の部屋に行った。今夜も一緒に過ごそうと考えていた。

部屋に入って、ソファーを倒して、犬を軽く撫でた時にまた痙攣が始まった。だが、痙攣といっても後ろ足をピーンと伸ばして目が開いて、口を大きく開けるという明らかに違う感覚だった。

 

「今、死ぬ時が来た」と悟った。

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口を大きく開ける動作を何度かした。明らかに呼吸はしてない。苦しいんだと思い。「大丈夫、大丈夫」と声をかけた。そして、「ありがとう」って言った。

心臓に手をやると、鼓動がゆっくり弱まっていくのを感じた。

何度もありがとうと言いながら頭を撫でた。心臓もほぼ止まり、まぶたが自然に降りた。

一つの命が終わった。私の大好きな犬は旅立ったのだ。

2018年7月16日の午前1:11分か12分である。ポッキーという名前なので1:11分のほうがしっくりくる。

寝ている父と母に伝えた。母親は「えー!?うそー!?」と大きな声を出した。父親はちょうどトイレのタイミングで起きたらしく、トイレから出た時に亡くなったと伝えた。

そして、亡骸を見に来た。「いいワンちゃんだった」と言っていた。私もそう思った。亡骸を撫でながら、「ポッキーお疲れ様」と何度も言った。言いながら涙がどんどん溢れてきた。

 

ポッキーちゃん!!!

ついにその時が来てしまったね。ポッキーちゃんは最後、オレの声は聞こえたかな?

最後に、「ありがとう」って言ったんだよ。

最期は凄まじい闘いを見せてくれたよね。もう、いつ亡くなってもおかしくない状態のように見えたよ。

でも、最期は一応飼い主であるオレの前で息を引き取った。

ポッキーちゃんは、一人で逝くのは寂しかったんじゃないかな?

どうしても家族が一緒にいてあげられない時期も多くあって、寂しい思いをしていたんだと感じるよ。本当にごめんね。

だから、最期は一人で逝けなかったんだ。最期は苦しかったのかな?呼吸が止まったんだから苦しいに決まってるよね。最期に急に目が開いて口も大きく開けたりしたからとても苦しかったんだと思う。

でも、もし最期にオレがそばにいて少しだけでも苦しさが緩和してくれたら嬉しい。まさか、あれが最期の痙攣だとは思いも知らなかったけれども。

今朝から息を引き取るまで、命をつないでくれたと思うと本当に嬉しいし涙しか出ない。きっと苦しかったんだろうなって考えるとこっちも辛いよ。

でも、ポッキーの最期の痙攣の後、心臓も止まった後に目と口が自然と閉じたね。安らかな表情になった。

オレはまだ死ぬ経験をしたことがないから、死ぬ直前がどんな気持ちかとか苦しいのかとかわからない。でも、おそらく苦しいんだと思う。でも、最後に安らかな表情になるか苦しんだかは差が出ると思うんだ。

ポッキーは安らかな顔をした。それはポッキーがそれに値する素晴らしい活躍を生きている時にしたという証拠なんだ。

家族をいつも守ってくれたし、お利口さんだった。飼い主の言うことを聞いていたし悪いことなんて滅多にしなかった。本当に偉いわんちゃんだった。悪いことをしていたのは飼い主で、ポッキーちゃんに寂しい思いをたくさんさせてしまったし、病気に気付かずに放置していた。オレは最期にとことん苦しみ悶えればいいんだ。それが罪と罰なんだよ。

そんな悪い飼い主なんだけど、わがままなことを言わせてもらうと、ポッキーにはもっともっと生きて欲しかった!

ずっとこの先も一緒に居たかった!

家に来た時から最期まで、いつもポッキーを見るたびにかわいいなと思っていたんだ。ポッキーがかわいくない瞬間は一度もなかった!

だから、最期の二週間弱はポッキーとずっと居ることができて、自分がすべきこともできた。だけど、今はポッキーちゃんを失って本当に悲しいし寂しい。人生で今が一番悲しいかもしれないよ。